足音が聞こえる
私の腹の中で
静かに燃える胎動が
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いつまで出てくるの
いつまで残ってるの
早く、消えてよ
もうあなたの過去なんて消し去りたいの
憎いから
嫌いになるから
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大丈夫だよって 手をつなぎたいの
隣にいるよって 抱きしめていたいの
繋いだ体温が 気持ち悪いの
愛してるって言葉が 大嫌いなの
いわれたらあなたのことにくむほどにきらいになる
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どうしたって苦しい時は泣いたっていい
けど
自分を許す涙は流してはいけない
打破する為の勇気を溜める涙だ
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目を開けると、私がいる空間は真っ黒に染まっていた。感じるのは、ひとりきり、という恐怖。
肌に触れるシルクのシーツがやけに冷たい。床がフローリングじゃなくて堅い、学校のコンクリートのようだからか。さらさらする滑らかなシルクは好きだけど、素肌に触れるそれはあまりにも冷たかった。ひどく、悲しくなる。
服を探そうと見渡すけども、現代に馴染みすぎた私の目は全くと言っていいほど夜目が効かない。なにも、みえないも、同然だ。仕方なく、わかる範囲で手に取れる布。つまりは冷たい冷たいシルクのシーツを体に巻きこむ。サイズは大きいようだ。しっかりと巻きつけることができ、案外脱げない。
重たい足を地面に水平に立てる。足の裏が、凍えそうだ。体を大きく揺らし反動でゆらり、立つと髪がかき乱れた。腰まである黒い髪が顔にかかって、くすぐったい。けど、それを払うのも、面倒くさい。私が容姿を整えたところで、誰も、みるものなどいない。
光の入る場所はここにないのだろうか。なにも、みえない。まるで、コタツの中のようだ。くらい。片手を地面と平行に。けれど、見えるのは肩から二の腕のラインがかろうじて。指先どころか肘から先は闇に食べられた。ああ、こわい。悲しい。
腕は挙げたまま、右足を少し前に出す。つめたい。おなじ、地面だ。左足を少し前に出す。つめたい。境目が、みつからない。
そのまま重たい体をシーツごと引きずって歩く。まっすぐに歩いているつもりだけれど、たぶん、実際にはななめに歩いているのだろう。平衡感覚などない私は、目が効かないと最早まっすぐに歩くことさえ難しい。
ずるずるずるずる。素肌に巻きついたシーツが私の体温を吸って発熱する。反比例するように、足の裏は感覚を落としていった。いたいのか、さむいのか、もう、どちらでもいい。
巻きついたシーツが足元でたぐたまったのだろう。それに気付いたのは、重力に引かれて体を冷たい地面に打ち付けた時だった。転んだ勢いでシーツがほどけた。素肌が、ひどく、つめたい。体温が、吸われていく。もう、起き上がらなくてもいいような気がする。
腹が冷える。胸が冷える。太腿が冷える。ああ、どこもかしこも、冷える。
目を開けると、私がいる空間は真っ黒に染まっていた。感じるのは、ひとりきり、という恐怖。
つめたい。こわい。かなしい。さびしい。こわい。こわい。こわい。 こわい。
熱い何かが、私の体内を駆け巡ったけれど、私にはそれがなにか。最期までわからなかった。
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